国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
ぽつり、とラウススの鼻先に冷たいものが落ちてきた。
「雨だ。急がなくては、足跡が残ってしまう」
空耳だろう。ラウススは、レアの言葉が聞き間違いだと思った。
思いたかった。
王を愛している?誰が?
あんな、言い分も聞かず、人を牢獄に入れたりするような独裁者を?
そのまま、駆け抜けようとしたが、レアの抵抗は続いた。
「兄さん、私、ここを出るつもりはないわ。
ちゃんとわかってる。私は妃になんてなれる身分でないことも。
でも、妃になれなくても、巫女として、王を支えてあげたいの」
「それは、お前が・・。
王を・・・愛しているから?」
しばらく間をおいてから、レアは、こくりと頷いた。
「あいつのせいで、僕は酷い目にあったんだよ?」
「わかってます。でも・・、ごめんなさい・・・」
それっきり、レアは口をつぐんだ。