国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

ぽつり、とラウススの鼻先に冷たいものが落ちてきた。


「雨だ。急がなくては、足跡が残ってしまう」


空耳だろう。ラウススは、レアの言葉が聞き間違いだと思った。

思いたかった。

王を愛している?誰が?

あんな、言い分も聞かず、人を牢獄に入れたりするような独裁者を?


そのまま、駆け抜けようとしたが、レアの抵抗は続いた。


「兄さん、私、ここを出るつもりはないわ。

ちゃんとわかってる。私は妃になんてなれる身分でないことも。

でも、妃になれなくても、巫女として、王を支えてあげたいの」


「それは、お前が・・。

王を・・・愛しているから?」


しばらく間をおいてから、レアは、こくりと頷いた。


「あいつのせいで、僕は酷い目にあったんだよ?」


「わかってます。でも・・、ごめんなさい・・・」


それっきり、レアは口をつぐんだ。


< 357 / 522 >

この作品をシェア

pagetop