国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
向かい合った二人の間に、ぽつり、ぽつりと、雨の雫が通り過ぎては地面にしみこんでいく。
「磔にされるかもしれないんだよ?」
「はい」
「たとえ、妃になれても、すぐに捨てられるかもしれない」
「はい」
「僕よりも、あの暴君を選ぶの?」
「マルス様は暴君ではないわ。
ただ、とても、孤独で、純粋なんです。
生まれたばかりの赤ん坊のような・・。
私は、一生懸命、生まれ変わろうとしている彼のそばで、
手を貸してあげたいんです」
レアの心をそのまま写し取ったような、深い碧の瞳は、
なぜだか闇の中でも、キラキラと浮かび上がって、ラウススの胸を突いた。
あぁ、
大事な妹は、すでに一人前の大人なのだ。
わかってはいたことだが、直視したくはなかった。
いつまでも、自分の腕の中で、守ってやりたかった。
ラウススは、そっと瞳に蓋をした。