国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・あぁ、遅かった!

ごめんなさい。レア様。



マリカは、ぶるぶる震えながら、大粒の涙を流している。

雨は、さほど酷くはないが、濡れた洋服に体温を奪われて、体が芯から冷えてきた。


大きくはない歯が、ぶつかりあって、がちがちと音をたてた。

もちろんそこには、死への恐怖という最大の要因が織り込まれてはいたが、


それ以上に彼女を震え上がらせ、苦しめるのは、

初めて知った、罪の意識だった。


主人の命に逆らえず、レアを監視し、

ついには、破滅へと導く片棒を担いだ。


マリカは、レアの体の陰に隠れて、震えの止まらない自分の体を、自分で抱き寄せた。



・・レア様!



マリカは、こんな窮地に立っても、神ではなく、レアに祈り、許しを乞うた。

神様は何もしてくれない。

マリカは、それを誰よりも良く知っていた。



< 362 / 522 >

この作品をシェア

pagetop