国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

物心がついてから、マリカは、自分の行動の結果を、深く考えたことはなかった。


生きていくため--。


その大義名分があれば、どんな汚いことでも、すべて洗浄されて、許される。

騙そうが、盗もうが、奪おうが。


それは、野生の獣のそれに似ていた。


人間同士の食物連鎖の末端にいる彼女からしてみれば、

自分より少しでも弱そうな者を探し、全力で牙を立てたところで、

良心の呵責など、おきるはずもない。


野生の獣が、自分より弱い動物--えさに対して、憐憫の情を感じるだろうか。

マリカにとっては、彼女が生き残ることが全ての目的であり、意味であった。


だから、主人が命じれば、レアの行動を報告することも、

ラウススがレアを誘い出すよう仕向けることも、

特に罪を感じるようなことではなかった--はずだった。


自分より優位な立場にいる者の裾野に隠れ、弱いものを蹴落とす。

それは、今までのマリカの生き方からすれば、迷うことのない“正義”だ。


しかし--。


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