国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

しとしとと降り続ける雨の中でも、兵士たちが手にする炎は、

消えるどころか、ますます数を増やした。


ラウススは、二人を庇おうとしたが、多勢に無勢。

それぞれ別の兵士に組み伏せられ、やすやすと捕らえられてしまった。


「レア!マリカ!」


「兄さん!」


地面に頭を押さえつけられ、ラウススもレアも、顔中泥だらけだ。


そこへ、堂々とした足音が近づいてきた。

頭を上げられないので、顔は見えないが、かなり高い身分の人間であるのは確かだ。

兵士たちが、すぐに道をあけ、跪いた。


「とうとう、尻尾を出したな。

上級巫女ともあろうものが、男と密会したうえに、脱走とは」


男は、薄笑いを浮かべると、レアの顔めがけて、つばを吐いた。


「アニウス様・・」


マリカの囁くような声が、雨の音に混ざってレアの耳に届いた。





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