国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
何があったのかは、わからない。
でも、とにかく“まずい”。レアを助けなくては。
この状況を打開できるのは、あの方をおいて他にはいない。
「ウルウ様!」
サラは、大声を上げながら、一目散にウルウの元へと駆けた。
神官の脇を通り過ぎたとき、
ふと、にたにたと嬉しそうに笑う、一人の少女の顔に、違和感を覚えた。
皆、何が起こったか理解できず、
もしや火事か、盗人かと、怯えた表情をしているのに、
その少女だけは、目の前で何が起こっているかを把握しているような、余裕のある顔をしている。
それが、周囲から浮いていて、どこか、ちぐはぐな感じがしてならない。
・・シギネア様?
サラは、何かを感じ取って、眉間にしわを寄せた。
大きな波が来ている。
個人の力では、どうしようもない荒くてすさまじい高波が。
そして、その中心にいるのは、自分の大事な友人・・。
サラは、正体のわからない冷気を感じて、思わず身震いした。