国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・レアを生贄に、だとぉ?



確かに、それは、この場をしのぐ最上の方法かもしれなかった。

そもそも、反乱を起こしたのは、兵士ではなく、一般の農民や商人が中心と思われた。

もしも兵士であれば、貴族の屋敷から、この王宮まで、馬で整然と駆け抜けてきたことだろう。

今頃、この王宮は、ぐるりと取り囲まれ、一斉に火矢を射られていたに違いない。

それが、この速度。


おそらく、戦に慣れていないものたちが、徒歩でこの王宮を目指しているのだ。

普段は、なんの恐れもないただの民衆。

だが、ひとたび、その怒りに火がつけば、たとえ王といえども、無傷ではいられない。

人海戦術に勝る策を打ち立てられる策士など、惰性で続いてきたこの王宮には、存在しないのだから。


唯一、この場をまるく収める方法。

それは、反乱の元である、民衆の怒りを静めること。

彼らだって、無用の血を流したいわけではないはずだ。


そして、民衆の怒りを静めるためには、

クリナリア祭で祭祀王となったレアに、全ての罪を着せ、

民衆の前に、生贄として放り出せばよい。





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