国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
牢の格子から見える景色は、昨夜と何一つ変わっていない様に見える。
変わったことといえば、雨足が強まったくらいか。
しかし、レアは、妙な違和感を覚えた。
・・静か過ぎる。
ばたばたと沢山の足音が聞こえたかと思ったら、
その後、ぱったりと物音がしなくなった。
人の気配が、ない。
いいかげん、兵士が見回りに来る時刻のはずだが、それもない。
・・何があったのかしら。
胸騒ぎがする。
「ごめんなさい。ヒック。ほんと、に、ごめんなさい。
ヒック。ヒック。ご、な、さい」
向かいの牢では、一晩中泣き続けたマリカが、またも泣き始めた。
「いいのよ、あやまらなくて」
レアは、もう何度目かになる言葉を口にした。
「私のほうこそごめんなさいね。あなたを巻き込んでしまって。
でも、王にきちんとお話して、必ず助けてあげるから」
なんの確実性もない約束だが、今はないよりましだろう。