国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

「ねぇ、マリカ。あなたは、悪いことをしたと思ってるのでしょう?」


はい、とかすれた声が牢の中に響く。


「では、反省して、次から気をつければいいわ」


「次から?」


「えぇ。あなただけは、必ず無事にここから出してもらえるよう取引するわ。

だから、次のことを・・・明日のことを考えるの」


レアの声は、静かに澄んだ声なのに、とても力強く、

何か、有無を言わせぬ圧力のようなものを含んでいて、

マリカは、考えることもなく、はい、と即答した。


ウェスタの巫女は磔になる前に、必ず一度、罪の告白をさせられる。

それを、大人しくすることを条件に、なんとか二人を助けよう。

レアの心は、明確だった。


死が恐ろしくないわけではなかった。

だが、自分の人生は、充分恵まれていた。全力を尽くして生きてきた。

家族での暮らし。巫女見習いとして、必死に過ごした日々。

サラという、友人の存在。ウルウという、目標の存在。

施薬を覚え、初めて、ありがとうと言ってもらえた日。



マルスとの出会い。




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