国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

確かに今年は、神殿の畑でも、作物の出来が芳しくない。

それは、レアが巫女見習いだった半年以上前から、感じていたことだった。

おまけに、かんばつに長雨。夏の暑さから、いきなり冬が来たような寒さ。


『今年は、大変な年になるかも』


普段の年よりも、施薬館を訪れる患者の数が多い、と、

20年以上、施薬館にいる上級巫女が、ポツリとこぼした。

なんでも、20年ほど前にも、飢饉の年があり、施薬館の前で餓死するものも出たというのだ。

今年は、そのときと状況が似ている、とその巫女は話していた。


しかし、そのときは、非常用の蔵を開放して、なんとか落ち着いたと聞いていた。

そして今年も、すでに非常用の蔵は開いているはずだ。

神殿でも、施薬館を訪れる、栄養の足りない患者に、非常用の食物を食べさせていたのだから。







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