国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
花畑--と言っても、すでに花はなく、土ばかりが目立つ広い土地だが、
レアは、そこに近づくにつれて、胸の鼓動が、だんだんと早く打ち始めた。
まさか、あそこにいるのは、王その人では?
そんなわけはないと思いながらも、自分がそれを期待しているのは、
いっそう体温が上がっていることで、明白だった。この寒空だというのに。
「待たせたな。行こう」
男は、頭からすっぽり布を覆って顔を隠している二人に話しかけると、
数十歩離れたところにある井戸を覗き込んだ。
ラウススは、警戒していたが、待っていた二人が、明らかに女性であることに気付いて、拍子抜けした。
「あ、ニュクス様!ディスコルディア様!」
布の間から見えた顔に、驚きを隠しきれず、レアは、大きな声で叫んでしまった。
すぐにハッとして口元を手で隠す。
周囲をきょろきょろと窺ったが、雨の音で、かき消されたせいか、人がいないせいか、
特に変化はなかった。