国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「冗談じゃない!罠かもしれないのに、行けるもんか!
僕だけ中に落として、縄梯子を引き上げるつもりじゃないのか!」
ほぉ~、と、ロカは感心したように、あごひげに手をやった。
「お前、なかなか賢いじゃないか。じゃ、仕方ない。俺が先に降りる。
ただし!
この場に兵士が追って来たら、お前がこいつら守って戦えよ?」
ロカは、腰にはいた剣を、ぽんとラウススに投げ渡した。
「なっ!?」
見た目よりもずっと重いその剣を受け止めて、ラウススはよろける。
「また、そんな意地悪をして。いいわ。私が先に下ります」
ニュクスは、まったくこれだから男は、などとぶつぶつ言いながら、
意外にも身軽に、ひらりと下りて行った。
井戸の中を覗いてわかったが、そこは、まったくの暗闇ではなかった。
なんでも、暗闇で光る、特殊なコケを這わしているとかで、ほのかに明るい。
雨雲が覆っているこの地上よりも、ずっと明るく見えるほどだ。
ニュクスの後にディスコルディアとマリカが続き、いよいよレアの番になった。
「ほい、あとは、嬢ちゃんだけだ」
・・これでなんとか、あいつの頼みが果たせそうだな。
ロカはそう安堵したが、次の瞬間、彼の口元から陽気な笑顔がかき消えた。
「私は後で下りるので、先に行ってもらえませんか?」