国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「それにしても、むかつくわね。文句言ってやればよかったのに!」
「無理よ。相手は上級神官ですもの」
“神官”は、ウェスタの巫女の称号の一つであるが、
貴族出身の者しか、それを名乗ることは許されていない。
なかでも、“上級神官”は高位の貴族--王族を除けば国で一番の貴族--しか任命されることはない。
「そうだね。レアは、私たちの中じゃ、一番格上の、上級巫女だけど。
相手は、ウェスタの巫女の中でも、神官長、神官長補佐につぐ上級神官だもんね」
神官長、神官長補佐は、貴族出身と決められていない役職であるにはあるが、
慣例的に、有力貴族がその地位を占めている。
つまり、奴隷出身の二人にとって、事実上、最高位は上級巫女であり、
地位的には上級神官よりもはるかに格下であった。