国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
ギイイイィィ。
硬く閉ざされたはずの門は、大勢の兵士たちの手によって、ゆっくりと開かれる。
王宮の内側にいる人間は、ごくりとつばを飲み込んだ。
剣の柄に手をかけ、祈った。
いよいよ、最期か。
だが、民衆は、予想に反して、ぴくりとも動かない。
レアは、わずかに開いた一人分の隙間から、ひょい、と自分の体を外へと投げ出した。
傍にいた兵士が、あっ、と短く叫ぶ。
レアが、倒れた女のもとへと歩みを進めると、その進行方向に陣取っていた人々は、皆体をひいて、同じように道をあけた。
麦が風に倒されるように、レアの通り道が、おもしろいほど順調に、できていく。
さほどの時間を要せず、レアは目的の女のもとへと、たどり着いた。
「さぁ、これを飲んで」
レアは、椀に水を注ぐと、女の口へと近づける。
「どうか、どうかお許しください・・・」
女は、レアの袖口を握り締め、必死に許しを請うた。
「何をおっしゃっているの?あなたがあやまることなど、何一つないわ。
さぁ、これを飲んで。元気にならないと、ナナスが待っているのでしょう?」
女は、目を瞬かせると、今度は涙腺が壊れたのかと思うほど、涙が一気に溢れ出た。
まさか、自分の子供の名前を覚えていてくれたなんて。