国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
朝日が顔を覗かせると、一気に、周辺が明るくなった。
人々は、やせ細り、尖った枝から、手足が生えているようだ。
レアは、改めて、集まった人々の様子を見て、眉をひそめた。
貴族の館を襲って、食にありついたとはいえ、一晩の徹夜は、相当堪えたはずだ。
女は、震える手で、椀に口をつけた。
「ナナスは、元気?」
何気ない一言だった。
女は、水を飲む手をとめて、俯いた。
「あの子は、死にました。食べるものがなくて、1週間ほど前に・・・」
うっ、と女は嗚咽を漏らした。
死んだ?あんな幼い子が?
学ぶことも、遊ぶことも、恋をすることも、幸せを見つけることも、
何一つ叶わないまま?
「あ、わ、たし。ごめんな、さ・・・」
レアにとって、女の話は衝撃的だった。餓死者が出たとは聞いている。
でもそれは、国の中であっても、顔も知らない赤の他人の話で、
こんなにも身近な話だとは、思ってもみなかった。
「あの子、薬草を飲んだんですよ。
この間、また同じ症状が出たときに渡していただいた薬草。
あんなに嫌がっていたのに。
レア様から、苦くないようにしたと言われても、半信半疑でしたけど、
ちゃんと、残さずきれいに飲んだんですよ」