国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
治療を継続している患者に、充分な量の薬草を手配し、留守にする間の服薬指導をするのに3日を要した後、レアはウェスタへ向けて出立した。
ロカが手を回してくれた商人の一行に混ざり、3人は、荷馬車に揺られ、国境を越えた。
天候のよさもあいまって、思った以上に旅は順調に進み、3週間で、王宮近くの街までたどり着くことができた。
「おい、ナナス!」
ナナスの傍に来た、ロカは、周囲を気にしながら、小さな声で彼に呼びかける。
「お前、母さんから、なんて言われたんだ?」
「ん~。僕の本当の父さんが、病気だから、会いに行こうって」
「それだけか?」
「どうして母さんがウェスタを出たのかと、ひょっとしたら危険があるかもしれないってことは聞いたよ。
怖いけど、父さんには会ってみたいし」
それに、とナナスは恥ずかしそうに、付け加えた。
「母さんさ、今でも父さんのこと好きみたいだから、会わせてあげたいなと思って」
ロカは、溶けてなくなりそうなほど細い目になって、
大きな掌で、ナナスの頭を、がしがしと乱暴になでた。