国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・強い子に育ったのね。

やはり、レアさんは素晴らしい方だわ。

それに比べて。



ニュクスは、ロカに、ちらりと視線を送った。

目が合ったとたん、慌てて視線をはずすロカ。



・・まったく、何が男なら女を幸せにするべきだ、よ。

口先ばかりなのだから。



挙動不審な態度をとるロカを、呆れたように眺めた。

こんな男をいまだに愛している自分が、つくづく愚かに思える。


王位継承権を持つことになる、その本当の意味をナナスが知るのは、もう少し先になるだろう。

しかし、もしもそれで、ナナスが傷つくようならば、逃げてしまえばいいのだ。

目の前にいる、前例のように。



・・まぁ、いざとなれば、どうとでもなるわ。



先にある多くの不確定要素を怖がっていては、先に進むことはできない。

たくさんの可能性から、未来を選ぶのは、ナナス自身なのだから。


「では、今日は、あなたのお母様が、巫女だった頃の話をしてあげましょう」


ニュクスの言葉に、ナナスは、ぱっと花開いたように笑った。



・・本当に、素直でかわいらしい子。



ニュクスとナナスが並んで話しているのを横目で見ながら、ロカは、そっと部屋を後にした。





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