国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
男の声は、抑揚がなく、そこから感情を読み解くのは、酷く困難だ。
感情がないというのが、正解に近いのかもしれなかった。
ロカは、困ったように、せわしなく頭をかきながら、男を見つめた。
「レアと、マルスの子供だ」
刹那、男の瞳が、はっとしたように光彩を放った。
瞬きするほどの短い間に、それは点滅するように、すぐに消えうせた。
ロカでなければ、そのわずかな変化に気づくことはなかっただろう。
一切の感情を表に出さない男は、無論、言葉を発することもしなかった。
沈黙を破ったのは、ロカのつぶやくような声だった。
「どうする?」
「どうする、とは?」
「会いたくないのか?
お前の・・・孫に」
男の顔は、ロカの言葉に、何の変化も見せなかった。
もはや心の入り口に蓋をして、どんな些細な言葉も、その中へは入り込めないかのようだ。