国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
顔を赤くしたレアが、何度も自分の名前を呼ぶことに気をよくして、
マルスは、口元を緩めたまま、レアの体をまさぐる。
抗議の声が、次第に嬌声に変わりかけたとき、
失礼します、と唸るような迫力のある声が、部屋の中に響いて、マルスは手をとめた。
「申し訳ありませんが、前神官長のウルウ様と、神官長様が、おこしです。
レア様に会わせろと申しております」
ちっ、と舌打ちして、マルスは寝台から飛び降りた。
「ホーエン!俺がいいと言うまで、誰も通すなと言ったろう!」
「申し訳ございません。
しかし、レア様に会わせないなら、考えがある、とウルウ様にすごまれまして」
どんな考えがあるのか、それともただの脅しなのか。
ホーエンには、別にどちらでも良かった。
「まったく誰からレアの話を聞いたんだ!すぐ行くから、待たせておけ」
吐き捨てるように言うと、マルスは、着替えをしに出て行く。
一人残されたレアが、恥ずかしそうに毛布から目だけを覗かせると、思いも寄らぬ人物と目が合った。
恐ろしいほどの、無表情。
顔中の筋肉という筋肉を、一切使ったことがないのではないかというくらいの。
だが、明らかに、その目は自分に向けられている。
レアが口を開きかけたとき、ホーエンの体に似合わぬ小さな声が、レアの耳元に届いた。
「どうか、マルス様を、よろしくお願いいたします」
巨躯を小さく縮めて、一礼すると、ホーエンは何事もなかったかのように踵を返した。