国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「ロカさん」
レアが、ロカの名前を口にして、マルスは、むっとした。
なぜだかわからないが、無性に腹がたつ。
レアを守り、息子を守ってくれたのは、確かにこの父だ。
感謝すべきところなのだろうが。
「行くぞ!」
マルスは、レアの手をとった。
「え?どこへです?」
「決まっている!俺の大事な息子に会いにだ!」
わざと派手に足音をたてて、ロカから遠い場所を通ろうとするマルスに、
間延びした、やる気のなさそうな声がかかった。
「その必要は、ねぇよ。ほら~、ナナスぅ。お前の父さんだぞ~」
ロカの背に隠れるようにして、いや、ロカがわざと隠していたのか。
ちょこんと顔を出して、覗き込むようにこちらを見ている、青い二つの小さな瞳。
マルスは、ごくりとつばを飲んだ。
「・・ナナス、か?」
小さな丸い顎が、こくんと上下したかと思うと、まるで女の子のような、かわいらしい声がした。
「初めまして。お、とう、さん?」