国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

部屋の中だけが、時の流れから隔離されたかのように静かだった。

マルスの精悍な顔は、両の目がピタリと閉じられ、

たくましい腕は、胸の前でしっかりと組まれ、時が動き出すのを待っている。


やがて、マルスの空を写し取ったような蒼い瞳が開かれると、

ウルウは、瞬時にレアをかばえるように、マルスを見た。


「レア。お前の言いたいことは分かった。

では、俺の言い分も聞いてくれるか?」


「は、はい!」


てっきり、罵詈雑言を浴びせられ、酷い仕打ちを受けるのだろうと覚悟していたレア以上に、

ウルウは細い瞳をめいいっぱいに開いて驚いた。



・・あの短気なマルス王が、すぐに怒鳴らなかっただけでもたいしたものだと思ったのに、

“聞け”ではなく“聞いてくれるか”とは。



ウルウは床にはいつくばったままのレアをちろり見おろした。






< 83 / 522 >

この作品をシェア

pagetop