たんぽぽ
「眠くなっちゃたし、ちょっと寝てもいい?」

 酒のせいなのだろうか、頬が真っ赤になっている。

「エッ?ぜ、全然いいよ。ベッドで寝なよ」

 僕はドキッとしたが、平常心を装い、立ち上がって春華をベッドに促す。

 春華はベッドに入っていき、布団をかぶった。

 もう一度、沈黙が流れる。

 僕の心臓がドクンッ、ドクンッとゆっくり大きな音を立てているのがわかる。

「今井…、まだ起きてる?」

「うん…」

 僕は意を決して言う。

「あの…。俺も一緒に寝てもいい?」

「エッ…?…。うん…」

 春華が奥に行くのを見て、僕も春華の隣で横になり、布団をかぶる。

 心臓の音が隣にいる春華にも聞こえるんじゃないかと思うほど大きい。

 僕は横になって、天井をじっと見ていたのだが、そっと春華の方を向いてみる。

 春華はじっと僕の顔を見ていたようで目が合う。僕はにこりと笑い、そっとキスして、抱きしめた。

「電気消さないと、寝れないよな」

 返事を待たず、僕は心臓の鼓動が春華に伝わるんじゃないかと思い、布団から出た。

 顔も耳も火のように熱い。

 僕は電気を消し、窓とカーテンを閉めた。

 僕は再び布団に入り、春華を見る。

 春華はまだじっと僕を見ていた。

 カーテンのすき間から入った光で春華の顔ははっきり見えていた。僕はもう感情を抑えることはできなかった。

 僕は何度もキスをして、春華を抱いた。

 お互いの初体験だった。少し酔いに任せたものになってしまった。しかし、春華とこうして愛し合えたことは嬉しかった。
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