たんぽぽ
明日は春華の誕生日。プレゼントの渡し方は何も考えていなかった。春華が学校に来ていたら直接渡したい。でも、来てなかったら貴重な話す機会が失われてしまう…。僕には春華が学校に来てくれることを祈るしかなかった。
僕はその夜あまり眠ることはできなかった。
気づくと外は少し明るくなっていて、カーテンのすき間からうっすらと光が入ってきている。外では、すずめだろうか、鳥が鳴いている。少し寝ておかないと。僕はそっと目を閉じた。
次の瞬間、気づくと外は明るかった。
しまった!寝過ごした!
時計を見るとすでに正午を過ぎている。
急いで学校へ行く準備をする。顔を洗い、歯を磨き、髪の毛をセットした。そして、ブレザーに袖を通す。朝ごはんを食べている時間はない。かばんの中にきれいに包まれたホワイトベアーを忘れず入れる。
急いで、自転車に乗って学校へ向かう。
最近、春の兆しが見えてきて気温も暖かくなってきたのに、この日はまるで真冬のような寒さだった。自転車に乗っていると凍えそうだった。
白い息、かじかむ手。
構わず自転車を走らせた。
通いなれた通学路。下宿先の目の前の細い道から少しだけ大きい通りに入る。この通りを進み、女子高の横を通る。授業中なのだろうか驚くほど静かだ。そこまで大きい通りではないせいか、不思議なほど誰もいない。車も通っていない。
寒さでかじかんでいた両手が麻痺してくる。
大通りに出ると車もたくさん走っていたし、人もたくさんいた。
その後、小さな商店街を通る。小さな服の店、ラーメン屋、お好み焼き屋、クリーニング屋。うまく人をかいくぐり進むと、橋が見えてくる。
きれいな朱色に染められた橋でまだ新しいのか鮮やかな色をしている。橋の上には川から乾いた風が吹きつける。
手は感覚を失いブレーキをうまくかけることができない。
橋を渡ると草木で生い茂った神社がある。夏にはその神社で祭りが開かれ騒がしくなるのだが普段は静かな神社でこの日も静まり返っていた。そして、その手前の土手沿いの道に入る。
ちゃんと時間通りに通れば同じ学校の生徒もよく通る道だ。しかし、もう昼の二時。こんな時間に学校に向かう生徒は当然僕以外、誰もいなかった。
僕はその夜あまり眠ることはできなかった。
気づくと外は少し明るくなっていて、カーテンのすき間からうっすらと光が入ってきている。外では、すずめだろうか、鳥が鳴いている。少し寝ておかないと。僕はそっと目を閉じた。
次の瞬間、気づくと外は明るかった。
しまった!寝過ごした!
時計を見るとすでに正午を過ぎている。
急いで学校へ行く準備をする。顔を洗い、歯を磨き、髪の毛をセットした。そして、ブレザーに袖を通す。朝ごはんを食べている時間はない。かばんの中にきれいに包まれたホワイトベアーを忘れず入れる。
急いで、自転車に乗って学校へ向かう。
最近、春の兆しが見えてきて気温も暖かくなってきたのに、この日はまるで真冬のような寒さだった。自転車に乗っていると凍えそうだった。
白い息、かじかむ手。
構わず自転車を走らせた。
通いなれた通学路。下宿先の目の前の細い道から少しだけ大きい通りに入る。この通りを進み、女子高の横を通る。授業中なのだろうか驚くほど静かだ。そこまで大きい通りではないせいか、不思議なほど誰もいない。車も通っていない。
寒さでかじかんでいた両手が麻痺してくる。
大通りに出ると車もたくさん走っていたし、人もたくさんいた。
その後、小さな商店街を通る。小さな服の店、ラーメン屋、お好み焼き屋、クリーニング屋。うまく人をかいくぐり進むと、橋が見えてくる。
きれいな朱色に染められた橋でまだ新しいのか鮮やかな色をしている。橋の上には川から乾いた風が吹きつける。
手は感覚を失いブレーキをうまくかけることができない。
橋を渡ると草木で生い茂った神社がある。夏にはその神社で祭りが開かれ騒がしくなるのだが普段は静かな神社でこの日も静まり返っていた。そして、その手前の土手沿いの道に入る。
ちゃんと時間通りに通れば同じ学校の生徒もよく通る道だ。しかし、もう昼の二時。こんな時間に学校に向かう生徒は当然僕以外、誰もいなかった。