たんぽぽ
 次の日、僕は母親にこれまでの学校生活のことを謝り、これから心を入れ替える旨を伝えた。母の方も昨晩は言いすぎたと反省していたようである。

 僕もショックを受けたが母もショックを受けてしまったらしく、本当に申し訳なかった。

 このようなことがあったが、僕はこの日を境に成長することができたと思っている。

 もう一つ、大きなことが起こった。

 僕は高校2年生になり、理系のクラスの一つに配属された。

 高校1年生の終わりに自分が理系か文系を選ぶアンケートがあり、僕は英語と国語が嫌いということと理系科目の成績がよかったということで将来就きたい仕事も決まってないまま適当に理系を選んだ。

 ちなみに英男も楠川も文系のクラスに配属された。

 この年も3人とも違うクラスになった。

 もう一つの大きなこと、という話についてであるが、僕のクラスの担任の先生が寮で僕に目をつけていた寮監の先生になってしまったのだが、この先生が大きく関わっている。

 この先生が僕を予期せぬ方向へ導いていってくれた。

 まず、寮の住む部屋に影響をもたらした。

 この寮は学年が変わる度に、部屋替えを行うのだが、僕の新しい部屋がなんとその先生の部屋の隣にされてしまっていた。

 おまけに、僕の隣は英男。その英男の隣は楠川の部屋だった。

 完全に仕組まれた部屋替えに僕達は怒り心頭だったが、僕達3人の部屋のベランダは他の部屋のベランダの十倍程ある広場のようなベランダで、しかも3つの部屋のベランダが繋がっているということで渋々了承した。

 このベランダがなかなか優れたもので昼は軽い運動ができたし、夜は満点の星空が堪能できた。

 満点の星空の下で吸う煙草の味はまた格別だった。隣の部屋の住人に気をつけてさえいれば。
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