月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
「だったらオレは呼ばれないか」
「そういうこと」
探偵として稀有な才能を持つあたしの従兄弟は、事件が発生した時に捜査協力を求められる民間協力員だ。
これまでいくつも事件を解決してきた。
でも今回の事件はいつもと趣の違う事件になりそうだ。
「重要参考人ってのはどんな人物なんだ」
「名前は東久志。年齢は20才。職業はホストクラブ『エアリアル』の従業員よ」
「つまりホストか」
「ちなみにお客は吉原しのぶの方ね」
「ホステスがホストクラブの客か」
「あら別に珍しいことじゃないわよ」
刑事という職業をやっていると、いろんな人間の組み合わせを見る。
ネオンに彩られた夜の蝶たちが癒しを求めてホストクラブに足を運ぶというはよく聞く話だ。
「複雑なんだな」
達郎はボソリと言った。
まぁ達郎に夜の女たちの事情など理解できまい。
祖父が法務大臣で父が警視総監、兄は警視正という司法エリート一族に生まれたお坊ちゃんなのだから。
「そういうこと」
探偵として稀有な才能を持つあたしの従兄弟は、事件が発生した時に捜査協力を求められる民間協力員だ。
これまでいくつも事件を解決してきた。
でも今回の事件はいつもと趣の違う事件になりそうだ。
「重要参考人ってのはどんな人物なんだ」
「名前は東久志。年齢は20才。職業はホストクラブ『エアリアル』の従業員よ」
「つまりホストか」
「ちなみにお客は吉原しのぶの方ね」
「ホステスがホストクラブの客か」
「あら別に珍しいことじゃないわよ」
刑事という職業をやっていると、いろんな人間の組み合わせを見る。
ネオンに彩られた夜の蝶たちが癒しを求めてホストクラブに足を運ぶというはよく聞く話だ。
「複雑なんだな」
達郎はボソリと言った。
まぁ達郎に夜の女たちの事情など理解できまい。
祖父が法務大臣で父が警視総監、兄は警視正という司法エリート一族に生まれたお坊ちゃんなのだから。