月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
「支出の方は?」

そう訊かれあたしは再び手帳を開いた。

クレジットカードの使用頻度は高かったが、支払いの滞納はなし。

ちなみに事件当夜に買い物をした銀座の店に行ってみたが、そこでは現金払いだった。

「それでね、『エアリアル』にも行ってみたんだけど…」

「どうした?」

「スゴい話を聞いちゃった」

社長(午前中のせいか目力は無かった)によると吉原しのぶは来店するとまず、テーブルの上に札束を投げ出す。

「それで『今日はこの金額の分だけ楽しませて』って言うんだって」

「それを毎回?」

「そう、毎回」

ハッキリ言って派手の一言につきる。

22歳の遊び方ではない。

「問題はそういった金がどこから出てきたかってことだよな」

達郎はブランド品を眺めた。

「これらのもんを買う金もどこから来たのか」

「これらはお客からのプレゼントじゃない?」

「吉原しのぶはそれほど売れていたのだろうか」

あ、そうか。

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