月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
「昨夜の横倉さんの話を小山さんはどう思いましたか」

あたしもそれは気になっていた。

彼女は明らかにショックを受けていたように見えたからだ。

「なんか圧倒されちゃいました」

洋子は意外に軽い調子で答えた。

「怪談話や都市伝説を聞かされたような、そんな感じがして」

昨夜はそのまま横倉の相手をしたが、正直落ち着かなかったという。

「横倉さんがでたらめを言ってるとは思わなかったですか」

達郎の問い掛けにあたしはようやく気付いた。

昨夜あの席に小山洋子を同席させたのは、少しでも客観的な意見を聞きたかったからだ。

「横倉さんって、そういうタイプの人じゃないんです」

洋子は首を振った。

「お客さんの中には他愛ない作り話したりする人もいますけど、横倉さんはそうじゃありませんでした」

「すごく真面目なタイプだと?」

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