月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
「なんて言ったらいいか…すごく自信に満ちてる人なんです。ほら、都内にいくつもジムを経営してるじゃないですか」

経営者として成功しているうえ、年齢の割には若々しい。

つまり小手先の話術に頼らずとも女性を引きつけることができる。

横倉はそういった自信を持っている人なのだと洋子は語った。

「あたしはそういうタイプ苦手なんですけど」

ちらりと達郎を見た。

なら洋子にとって達郎はどんなタイプの男性なんだろう。

少し興味がある。

「つまり横倉さんはわざわざあんな話を作って聞かせたりする人ではないと言いたいわけですね」

洋子の視線を完全に無視して会話を続ける達郎。

「そういう事です」

それに合わせる洋子。
なかなかタフだ。

「実に興味深いですね」

達郎は若干、芝居がかった口調で言った。

「実は我々は横倉さんの話に非常によく似た話を横倉さん以外の人から聞いていたのです」

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