月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
横倉は達郎に鋭い視線を飛ばしながらうめき声をあげた。
「こ、これは一体…」
「横倉さん、小山洋子さんからこんな電話がかかってきませんでしたか」
ーしのぶが死んだ後、東久志が店に来た。
ー東は横倉さんと組んである仕事をこなしたと語った。
ー仕事の内容を訊いたらはぐらかされたが、仕事の詳細を記したメモは自宅マンションにある。
「『しのぶが死んだ後で気になったから電話してみた』小山洋子さんは、そう結んだはずです」
むろんその電話は達郎が洋子にかけさせたウソの電話だ。
「電話を受けたあなたはいてもたってもいられなくなってここへ来た。違いますか?」
そう、この部屋は現在も失踪中の、東久志の部屋だった。
「な、なにを言って…」
横倉は貼り付けたような笑い顔を浮かべた。
「私は東なんて男のことはこれっぽっちも…」
知らない、と言いかけた横倉の鼻先に、岸警部が床から拾いあげたあるものを突き付けた。
それは部屋の鍵だった。
「こ、これは一体…」
「横倉さん、小山洋子さんからこんな電話がかかってきませんでしたか」
ーしのぶが死んだ後、東久志が店に来た。
ー東は横倉さんと組んである仕事をこなしたと語った。
ー仕事の内容を訊いたらはぐらかされたが、仕事の詳細を記したメモは自宅マンションにある。
「『しのぶが死んだ後で気になったから電話してみた』小山洋子さんは、そう結んだはずです」
むろんその電話は達郎が洋子にかけさせたウソの電話だ。
「電話を受けたあなたはいてもたってもいられなくなってここへ来た。違いますか?」
そう、この部屋は現在も失踪中の、東久志の部屋だった。
「な、なにを言って…」
横倉は貼り付けたような笑い顔を浮かべた。
「私は東なんて男のことはこれっぽっちも…」
知らない、と言いかけた横倉の鼻先に、岸警部が床から拾いあげたあるものを突き付けた。
それは部屋の鍵だった。