月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
友人を売ったようでひどく後悔したが、その後しのぶから文句を言われることはなかったし、2人の関係が切れたとも聞かなかったので安心したと洋子は語った。
「なぜあなたが自分以外のパトロンの存在を認めたか。そこが事件の鍵となっているのです」
達郎は指を一本たてた。
しのぶのパトロンは横倉以外に2人いた。
1人は建設会社の専務。
もう1人は広告会社の取締役。
警察の聞き込みに対し、どちらも吉原しのぶとの関係を認めている。
「2人とも会社の重役とはいえ、あなたと違ってトップの人間ではない。年齢だってかなり上です」
その通りだった。
建設会社専務は50代。
広告会社取締役にいたっては60代だった。
「まだ若く、組織のトップにいるあなたは他の2人に対して優越感を持つ事ができた。だから吉原さんとの関係を黙認した。違いますか?」
横倉は震えながら目をそらした。
おそらく図星だったのだろう。
「なぜあなたが自分以外のパトロンの存在を認めたか。そこが事件の鍵となっているのです」
達郎は指を一本たてた。
しのぶのパトロンは横倉以外に2人いた。
1人は建設会社の専務。
もう1人は広告会社の取締役。
警察の聞き込みに対し、どちらも吉原しのぶとの関係を認めている。
「2人とも会社の重役とはいえ、あなたと違ってトップの人間ではない。年齢だってかなり上です」
その通りだった。
建設会社専務は50代。
広告会社取締役にいたっては60代だった。
「まだ若く、組織のトップにいるあなたは他の2人に対して優越感を持つ事ができた。だから吉原さんとの関係を黙認した。違いますか?」
横倉は震えながら目をそらした。
おそらく図星だったのだろう。