月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
「それに今後、自分が持つ店のスポンサーになれとも言ってきた。この要求がのめないのなら、全て警察に打ち明けると脅してきやがったんだ」

横倉の顔に、初対面の時の面影はなかった。

「ここで要求をのんだら東はずっと俺をゆすり続けるに違いない。しのぶを殺したことも漏らすかもしれない。だから…」

東久志が失踪して数時間が経過しているが、その行方は未だ不明。

もうすでにどこかで冷たくなっているだろう。

「本当にそれだけが理由ですか?」

達郎の言葉に目を見開いたのは横倉だけではなかった。

「あなたが東さんを殺害したのは口封じのためだけじゃないでしょう?」

そこまで説明されてなかったあたしたちも、唖然として達郎を見た。

「あなたが東さんになりすましたのは捜査の撹乱のためでしょうが、本来ならそこまでする必要はなかったはずです」

達郎の言わんとすることに気付いたあたしはあっと叫びそうになった。

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