労働の価値 その1(TYPE 1)
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ひとつの商品、
たとえばメロンパンに、
「使いみち」があると、
それは「使う価値」があることになる。

≪ここで「使う価値」としたのは、マルクスでは「使用価値」となっている。
なお、この「使用価値」という言葉は、商品のねだんがどう決まるか、を考えることと関連して、「価値」という言葉と対比されて、用いられている。≫

そのとき、
この「使いみち」は、
なんとなくそこにある、
というようなものではない。

商品、
たとえばメロンパンという、
「枠の中」に閉じこめられているのである。

メロンパンから「外へ」出たところには、
「使いみち」はない。

メロンパンという枠をこえて、
カナヅチめいた使いみちを、
引き出すことは、
できないのだ。


だから、
商品、
たとえばメロンパンが、
「使いみち」そのものだと、
言ってもよい。

メロンパンは「使う価値」なのだ。

そして、
そういうふうに、
ひとつの「豊かさ」の、
粒なのだ。



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