その手に触れたくて

「ね、もう止めよ。皆見てるし…。ね、隼人ももういいじゃん」


これ以上、いざこざを大きくしたくないあたしは夏美と隼人の間に入って互いを見た。


だけど――…


「あ?よくねぇだろうが!!」


隼人の苛々はますます高まる。


「隼人落ち着いてよ。そんなに怒んなくてもいいじゃん」

「怒ってねぇよ」

「怒ってるじゃん。誰がどう見ても怒ってる――…」

「隼人が悪いんじゃん!!」


そのあたしの言葉を遮ったのは張り裂けそうなくらい大きな相沢さんの声だった。

そのあまりの声の大きさに思わずあたしの言葉が止まり、一瞬にして周りが静かになった。


「お前、何つった?」

「だから隼人が悪いんじゃんって言ったの!!」

「あ?」


隼人は睨み付ける様に目を細め、叫んだ相沢さんを上から見下ろす。

そんな相沢さんも何故か怒ってて、


「隼人がそんなんだからこんな事になったんじゃん!!隼人がちゃんと解決してないからこんな事になってんじゃん!!隼人がそんなんだから…!!美月ちゃん、可哀想――…」

「ちょ、相沢さん!!」


だんだんエスカレートしていく相沢さんは血相をかいたまま喋り続け、いてもたっても居られないあたしは、相沢さんの言葉を慌てて遮った。


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