その手に触れたくて

どうしよう…
どうしよう…


頭の中はパニック以上で、それ以外にも胸騒ぎがする。

ソワソワするあたしの視界に入ったのは壁に背を付けてつっ立っている直司だった。

直司は何が何だか分からない様子であたし達を呆然と見る。


そんな直司に、


「お願い。隼人を連れ戻して来て!!」


あたしは直司に近づき直司の腕を掴んでた。

でも直司は顔を顰めたまま深いため息をつく。


「ありゃあ、無理だろ」

「何でよっ?!」

「あんなキレてたら隼人がすんなり引き戻る訳ねぇじゃん」

「それを何とか!!」

「何とか出来たら行ってるっつーの。行きたい気持ちは山々だけど…。美月ちゃん、俺を殺す気?」


そう言われた途端、返す言葉が何も見つからなかった。

殺す気?って何?直司の言ってる意味が全く分かんない!!


もう、誰も頼んないし、誰にも言わない。って思ったあたしは無意識の内に走ってた。

走ってたどり着いたのは3階で3年生の教室が並ぶ廊下――…


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