その手に触れたくて

「だったら俺はお前を許さねぇ。次、また何かしたら俺は絶対お前を許さねぇから」

「何でよ!!あの女が悪いんじゃん!!」

「アイツは何も悪くねぇ。お前さ、もっと視野広げろよ。自分中心ばっか動いてっから周りが見えねぇんだよ。助けてもらいたくても助けてもらえねぇ奴なんて山ほどいっぞ?だけどよ、その中でお前は自分中心で動いて人を縛って贅沢言い過ぎ――…」


なんかもう…聞きたくないや。


そう思うと無意識の内にあたしの足は動いてた。渡り廊下を歩いて第1校舎の中に足を踏み入れてた。


3階から2階に降りてすぐ視界に入ったのは夏美と相沢さんだった。

相沢さんは悲しそうな瞳であたしを見ていて、その隣で夏美は険悪な顔であたしを見つめてた。


「心配掛けてんじゃないよ」


近くまで行くと第一声にそう夏美は口を開いた。


「…ごめん」

「あたし…本気で心配したんだから!!泣きそうになったじゃんか!!」


夏美は相沢さんから全ての事を聞いたのか、声を張り上げて涙を溜めてた。


「…うん。ごめん」

「美月ちゃん、ごめんね」


あたしが呟いた後に相沢さんは小さく呟き視線を落とす。


「ううん。相沢さんは悪くないよ?…って言うか、有り難う」


薄ら微笑むあたしに相沢さんは顔を上げ、素早く首を振る。

その後、「あっ…」っと言って相沢さんはあたしの後ろへと視線を送ったと同時に、あたしの腕が誰かに掴まれた。


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