その手に触れたくて

そのあたしの腕を掴んだのは隼人で、隼人はまだまだ不機嫌まっしぐらの状態で足を進めて行く。

必然的に足が進み、夏美の横を通り過ぎた時、


「隼人の馬鹿…」


小さく呟いた夏美の声が聞こえた。

足を進ませながら慌てて夏美を見ると、何もなかったかの様にあたしに笑って手を振っていた。


それにしても馬鹿って…。隼人は聞こえたのかな?聞こえてないよね?もし聞こえてたら今の隼人じゃ、言い返してそうだし…


隼人は何も言わずにあたしの腕を掴んだまま自分の教室へと入る。

入ってすぐに隼人は自分の鞄を掴むと、すぐに教室を出て次に向かったのはあたしの教室だった。


入ってすぐ隼人はあたしの机に行き、あたしの鞄も手に持つ。


「えっ…ちょ、ちょっと隼人?」


隼人の行動に訳がわからず声を出すものの、隼人は何も言わずにあたしの腕を掴んだまま教室を出て階段を掛け降りた。


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