その手に触れたくて

静まり返った辺りがあたしの弾ける声で響く。

その張り叫んだ声に隼人の足がピタっと止まった。


「何?」


その冷たそうな声に胸が痛む。振り返ろうともしない隼人にあたしは駆け寄って咄嗟に隼人の腕を掴んだ。


「ねぇ、隼人…。なんで、どうしてそこまで避けんの?」


学校の階段ですれ違った時も、体育館裏で待ってるって言った時も、隼人はあたしを避けた。


なんで…

見上げるあたしに隼人はジッと見つめてたけど、その視線をまた避ける様にあたしから逸らす。

その、冷たい瞳が何をどう思ってるのなんて全然分かんなかった。


「…もう、俺ら終わってんじゃん」


そう、冷たく吐き捨てる様に言った隼人に、また瞳が潤む。

もう、どうせなら重いだろうと何だって思われてもいい。隼人に言いたい事いっぱいあるんだよ、いっぱい…


「隼人はそうかも知れない。でも、あたしはまだ思えない」

「俺の事なんか、もう忘れろよ」

「忘れられる訳ないじゃん!!ねぇ、隼人…。まだ好きなんだよ」

「ごめん…」


あたしの腕を離す隼人に、もうこれ以上言う事なんて何もなかった。

冷めた態度に冷めた口調。もう何もかもがあたしを見放してた。


だから、もう…


これで最後なんだなって、そう…


思った。





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