上海ふたりぐらし
突然私のケイタイが鳴った。実はこの日、日本から友達のT子が遊びに来ることになっていた。私は彼女に連絡する術がないので、電話がかかってくるのを待っていた。
「もしもし?うん、あたし。今、病院にいてる、入院してんねん。」
「えーっ。どこの病院?」
「それが、結構遠いねんけど。」
「住所と病院の名前教えて。行けたら行くわ。」
私は彼女に病院の住所を告げて電話を切った。その後、連絡がなかったので、私は彼女が来ないものと思っていた。とにかく退院することばかり考えていた。
「問題ないなら、退院させて。今すぐ、家に帰りたいの。」
度重なる私の訴えに、最後はドクターも根負けして、ムッとしながら言った。
「本当にもう痛くないの?わかりました。でも、保障はできませんよ。今度同じことが起きたら3日間の入院ではすみませんよ。それから、外出禁止。家で安静にしているように!」
本当はまだ少し胃が痛かったが、退院したかったので言わなかった。やっと退院できる、洗濯物も取り込める。
薬を処方してもらい、いよいよ退院。病院が呼んでくれたタクシーに乗り込み、外に出られた喜びをかみしめていたその時、再びケイタイが鳴った。
「もしもし?」
T子だ。
「もしもし、今、病院の近くまで来てんねんけど、何か目印ない?」
「えっ!今、退院して、病院出たとこ。タクシーに乗ってんねんけど。」
「・・・・・・」
彼女も、タクシーに乗っていた。このままでは、すれ違いになってしまう。目印目印と、あった。私が見つけたのは、高速の入り口の案内だった。あわてて運転手さんに言った。
「止まって。友達が近くまで来てるらしいの。」
焦った私は、中国語で何と伝えたらいいのかわからず、ケイタイを運転手さんに渡した。T子は、中国語が話せる。私よりはるかに上手だ。
「もしもし?うん、あたし。今、病院にいてる、入院してんねん。」
「えーっ。どこの病院?」
「それが、結構遠いねんけど。」
「住所と病院の名前教えて。行けたら行くわ。」
私は彼女に病院の住所を告げて電話を切った。その後、連絡がなかったので、私は彼女が来ないものと思っていた。とにかく退院することばかり考えていた。
「問題ないなら、退院させて。今すぐ、家に帰りたいの。」
度重なる私の訴えに、最後はドクターも根負けして、ムッとしながら言った。
「本当にもう痛くないの?わかりました。でも、保障はできませんよ。今度同じことが起きたら3日間の入院ではすみませんよ。それから、外出禁止。家で安静にしているように!」
本当はまだ少し胃が痛かったが、退院したかったので言わなかった。やっと退院できる、洗濯物も取り込める。
薬を処方してもらい、いよいよ退院。病院が呼んでくれたタクシーに乗り込み、外に出られた喜びをかみしめていたその時、再びケイタイが鳴った。
「もしもし?」
T子だ。
「もしもし、今、病院の近くまで来てんねんけど、何か目印ない?」
「えっ!今、退院して、病院出たとこ。タクシーに乗ってんねんけど。」
「・・・・・・」
彼女も、タクシーに乗っていた。このままでは、すれ違いになってしまう。目印目印と、あった。私が見つけたのは、高速の入り口の案内だった。あわてて運転手さんに言った。
「止まって。友達が近くまで来てるらしいの。」
焦った私は、中国語で何と伝えたらいいのかわからず、ケイタイを運転手さんに渡した。T子は、中国語が話せる。私よりはるかに上手だ。