♂性別転換♀

「そんなことしたらお前は……」


「元の生活に戻る。途中で契約を破るわけだから、なにかしらの代償は負うかもしれない。でもね」


魔法で作った毎日なんていらない。


今のままなら僕の思い通りで楽しい毎日を送れるけど、所詮嘘の幸せ。


本当の幸せは、不幸を土台にして積み重ねるものだから。


スパイスがない日常なんて、つまんないでしょ?






―――込み上げてくるものを、抑えることはしなかった。


前に一度見られてるし、俺の弱い部分を大翔にさらけ出すのは、これがおそらく最後なのだから。


「足掻いて、もがいて、泣き叫んだって生きてやる。僕には心強い味方がいるから、絶対病気の野郎に勝ってやるんだ」


大翔はもう泣いてはいなかった。
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