♂性別転換♀
その顔は希望に満ちたような、ほがらかな笑顔。
絶望の色はどこにもない。
負けられないな、俺も。
「お兄ちゃんの身体も皆の記憶も戻るから安心してね。あと、お兄ちゃんは鈍感すぎるよ。実は……やっぱやめとこ」
「おいおいおい、すげー気になるじゃんか! つか鈍感って余計なお世話じゃ!」
結局、最後の最後まで言い争う俺達は、相当マヌケなんだろう。
ワーワーギャーギャーここが病院だとすっかり忘れて騒ぎまくっていたら、陽はすっかり更けていて、三日月が空に浮かんで微笑んでいた。
ここまで綺麗な月は久しぶりで、俺達は金色に輝く月に目を奪われていた。
この月にも、魔力があるのかもなんて思ったり。
「もしかしたら、魔女は全てを仕組んでたのかもね」
ポツリと呟いた独り言。
なんでと尋ねると、大翔はシミジミとした口調で口にした。