◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆


――――――


次の日は、明日に迫った柳高校の文化祭の準備。



学校中が毎年だが、活気づく。



各教室はお化け屋敷だの、写真展示場や当てもん屋…さまざまな姿に変わってきた。



その中でも、一番と言っていいほど華やかさ…いや、派手な店構えのある教室。



その教室へ入ると、



「ぐはっ!!…お前ら、精密にやりすぎだぁ。。」



そこはもう、俺のいつも見慣れた1年1組の教室じゃなかった…


そう、ここは俺のクラスの出店。



「沢っち、見て!!」


「んー?」


「特別、指名プレート!!うちのメイド喫茶のNo.1からNo.3!!」



花やら、何かキラキラしたテープでデコレーションされた看板には、クラスの女子の3人の写真。



「お前ら…俺の今の状況、何て言うかわかるか?」


「完璧すぎて、言うことがない?」



フッ・・・



「呆れてものが言えない。」


「いやいや、多分沢っち驚くよ。うちらのクラスが一番人気がでると思うよ」


「だといいけどな。」



俺は、そう言った男子生徒の頭をくしゃくしゃっとすると、教室を見渡した。



みんな、楽しそうに準備してんなぁ。



俺は、そんな生徒達のキラキラとした表情をみて…自然と笑みがこぼれる。



こういう生徒の表情をみると…教師になってよかったと思う。。





< 92 / 182 >

この作品をシェア

pagetop