お兄ちゃんは悪魔サマ
「唯……」
「お兄ちゃん……」
「お兄ちゃんじゃなくて、今は陵だろ?な、唯」
何度も何度も名前を呼ばれる。
大好きな人に呼んで貰うのが、こんなにも嬉しいなんて思わなかった。
こんなにも人を愛しく思えるなんて、知らなかった……
お兄ちゃんに刺激された部分が熱を持つ。全神経がそこに集中してるんじゃないかと思う程に、敏感に感じてしまう……
「唯、可愛い……」
兄と妹。
悪魔と人間。
それは変えられない現実。
決して結ばれる事のない未来……
お兄ちゃんが悪魔になって現れてなければ、こんなにも苦しまなくて済んだかもしれない。
それでも私は、また逢えて良かったと思える。
見返りなんかなくても、純粋に人を愛せる気持ちを教えてくれた。
何に代えても守りたいと思う気持ちを知った。
お兄ちゃんは今、どんな風に感じてる……?
少しでも私と同じ気持ちでいてくれたら、嬉しいな……