お兄ちゃんは悪魔サマ
 


先輩を呼びに来て、何故だかお兄ちゃんの事を知ってる男の子。

先輩より少し可愛らしい感じで、おそらく中学生くらい。でも身に纏う雰囲気は先輩とよく似てる……


その少年の事を考えていたら、階段を上がってくる足音が聞こえた。




「こっち」



男の子は私の手を取り、自分の部屋であろう隣のドアを開けて中に入った。




「えっと……」



突然の展開に、頭がついていかないんですけど……

部屋の鍵をかけた彼は、その場でドアを見つめていた。
するとドンドンとドアをたたく音と共に、先輩の怒鳴り声が聞こえる。




「尚哉!!唯はどうした!?」

「ここにいる〜」



ガチャガチャと先輩はドアノブを回しているけど、鍵がかかっているから、当然開かない。




「尚哉、どういうつもりだ」

「俺、唯ちゃん気に入った。だからちょっと借りる」

「ふざけるな。ここ開けろ!」



先輩は相当怒ってるみたいで、ドアを叩く音は次第に大きくなっていく。




「ちょっとさ、付き合ってくんない?兄貴の側にいるより安全だと思うよ」

「でも、お兄ちゃんが……」



これで怒った先輩が、お兄ちゃんを狩るって言わないかが怖かった……




「あー、あんたの兄ちゃんなら大丈夫。兄貴はハンターの素質ねぇから」

「素質……?」

「そっ。せいぜい悪魔の呪文に少し耐えれる位じゃん?」








尚哉くんって言ったっけ……

多分先輩の弟さん。



でも一体何者……?



 
< 63 / 288 >

この作品をシェア

pagetop