お兄ちゃんは悪魔サマ
先輩を呼びに来て、何故だかお兄ちゃんの事を知ってる男の子。
先輩より少し可愛らしい感じで、おそらく中学生くらい。でも身に纏う雰囲気は先輩とよく似てる……
その少年の事を考えていたら、階段を上がってくる足音が聞こえた。
「こっち」
男の子は私の手を取り、自分の部屋であろう隣のドアを開けて中に入った。
「えっと……」
突然の展開に、頭がついていかないんですけど……
部屋の鍵をかけた彼は、その場でドアを見つめていた。
するとドンドンとドアをたたく音と共に、先輩の怒鳴り声が聞こえる。
「尚哉!!唯はどうした!?」
「ここにいる〜」
ガチャガチャと先輩はドアノブを回しているけど、鍵がかかっているから、当然開かない。
「尚哉、どういうつもりだ」
「俺、唯ちゃん気に入った。だからちょっと借りる」
「ふざけるな。ここ開けろ!」
先輩は相当怒ってるみたいで、ドアを叩く音は次第に大きくなっていく。
「ちょっとさ、付き合ってくんない?兄貴の側にいるより安全だと思うよ」
「でも、お兄ちゃんが……」
これで怒った先輩が、お兄ちゃんを狩るって言わないかが怖かった……
「あー、あんたの兄ちゃんなら大丈夫。兄貴はハンターの素質ねぇから」
「素質……?」
「そっ。せいぜい悪魔の呪文に少し耐えれる位じゃん?」
尚哉くんって言ったっけ……
多分先輩の弟さん。
でも一体何者……?