ぼくらの事情

絆の白い肌はうっすら桃色に染まっていて、一つに纏められた髪からはシャンプーの香り。


っていうか、風呂上がりだからってハーフパンツ短すぎ……。



なんて、頭の中で思いながら、視線を上から下まで忙しなく動かす響生に、


「ほらっ、見て見て響生」


両方の手のひらを軽く丸め、お椀状にした咲奈がそれを目の前に差し出してくる。


「なんだよ」


「ここちゃんの胸のサイズ」


「さ、咲奈ちゃんっ!」


両手を差し出したままケラケラと笑う咲奈の隣で、絆が恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。



「へぇ。体の割に大きいね」


「もぉっ! 架くんっ」


相変わらず食えない爽やか笑顔で、平然と会話に加わる架に反して、


「……どしたの響生?」


ペットボトルをがぶ飲みし始める響生を、咲奈が訝しそうに見上げている。



その真っ赤になった顔を見て、何やらピンとくるものがあったのか、


「さては……ここちゃんの胸の感触、思い出したなぁ?」


「ぶはっ!!」


ニタニタ顔の咲奈がボソッと耳打ちした途端、口一杯に含んでいた水が勢い良く噴射した。



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