死神少女
「先生ぇ…~」


お葬式の間中、隣で雪子ちゃんが瞼をゴシゴシ擦って泣いていた。

あたしは泣かなかった。代わりに唇が切れる程、強く詰むんだ。

悲しかった、と言うよりは…悔しかったんだと思う。


どうしてあの時、気づかなかったのだろう。


きっと、きっと、先生の頭の上に光っていたのは……体から出てきてもなお、この世にいたい、生きていたいとすがりついていた魂だったに違いない。

光が弱くなったのは死期が近づいていた証。



あの時、あたしがそれに気づいて……

そこでハッとした。


気づいて…、、気づいていたら、あたしには何が出来ていたのだろう。


先生を死から助ける事が出来た?


小さな、でも年に似つかないませた頭をフル回転させても答えは出なかった。


後から聞いた話だけど先生の死因は本人の飲酒運転による事故だったそうだ。


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