初彼 -ハツカレ-




「頭痛?腹痛?」

「わかんない……。」



保健室には先生がいなかった。

急用で1時間くらいはいないらしい。


職員室の先生に

木積くんがわざわざあたしの事を

説明しに行ってくれて

保健室の鍵を借りる事ができた。





「熱は?」

「無かった……。」


保健室に来ると何でかわからないけど

気弱になっちゃう。



木積くんはテキパキと準備をして

テキパキと片付ける。






「木積くん……。」

「ん?」


木積くんの小さな「ん?」は安心する。

何でかな……?




「ごめんね?……ありがとぅ……。」

「別に……」


あ、冷たい木積くんに戻った。

なんて1人で思ってた。






「最近体調悪いよね」


木積くんは片付けを済ませて

近くにあった椅子に座って

壁に寄りかかった。



「寝れないって事はないだろ。

運動してるんだから。


…何かあった……?」



何でだろうな。

木積くんがいつもより優しい気がする。



「……悩んでて…。

でも何て言ったらいいのかわかんなぃ…。」



「………。

いいよ、言える範囲の中で。

でも、…話したら多少楽になるかもよ…?」



こんなにも優しい言葉をくれた

木積くんを見ないで

下をずっと見ていて何も言わないのに

木積くんは優しく待ってくれていた。






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