俺様王子と秘密の時間


珍しく真剣な顔つきでじっとあたしを見つめる。

でもそれは少しだけ切なそうで、そんな千秋にあたしの細胞はいつも反応するんだ。



「椎菜」


急に真剣味を帯びた声で言うから、視点の定まらなかった目を千秋に向けた。

千秋があたしを名前で呼ぶのはほんとに時々だからあまり慣れない。


ドクン……。

大きく高鳴った鼓動は千秋に聞こえてしまいそうだった。



「誰でもいいわけねぇだろ?」

「え……?」


片手で自分を支えながら、空いてる手をあたしの口元に運んだ。

あたしの唇に人差し指を当てる。


“喋るな”って合図みたいで今にも湯気が出そうなくらい顔が熱くなった。


そして千秋は囁くように言った。






「オレはお前しか欲しくねぇよ」


眉を下げて、ビックリするくらい優しく微笑んだ。



「言ったろ?“逃がさねぇ”ってな?」

 

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