俺様王子と秘密の時間


……ズルいよ。

そんな優しい表情でそんなこと言われたら本当に逃げられなくなる。

ズルいズルいと心の中で何度も呟いてみせた。


そんな甘い言葉をくれるクセに、千秋は一番肝心な言葉はくれないんだ……。

あたしはまるで“お預け”をくらった動物みたい。



「もぉ……離れて…」


甘い痺れに翻弄(ほんろう)されてしまいそうで、耐えきれずに目を伏せて呟いた。



「やーだ」

「なっ……」


子供みたいに、でも意地悪な口調で千秋は言う。

あたしはまた胸をバシバシ叩いて、千秋を追いやろうとした。


クスッて笑う声が聞こえた。



「離れてやろうと思ったけど、んな可愛いことされっと……」


な……なに?


グッとあたしの顎を掴んで持ちあげる。




「このまま襲いたくなるだろ?」

 

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