思い出に変わる時・・・・
「制服貸して~」


私は大きな制服に袖を通し大きな藤田の体を感じでみた。


「大きい~」


私は大きな制服に包まれて抱き締められている気分になった。


自分で腕を重ねていたら…


「俺が目の前にいるのに?!」


制服にではなく、俺に抱き締められろ!


と言わんばかりに引き寄せられる。


勝手に抱き締めておいて、スグに突き放され、


「やっぱり離れて=3」


彼は微妙な顔で私に言った。


「何で?!」


私は急に突き放されて、意味が分からず


もう一度抱き付いた。


「だーかーらー離れて=3」


「・・・何で?」


嫌われるような事をしたのかな・・・・?


少し不安になり


2度も言われたので黙ってはなれた。


またたわいのない話し…


くっついていたいのに…


それからは全く、くっつかせてもらえないまま藤田は帰って行った


『何で・・・』


私は何を喋っていたのか頭の中で復習してみた。


頭の中をグルグル回ってみても全く分からない


お風呂の中でも、のぼせそうなくらい考えてみても…


分からない・・・


「さっき藤田君から電話あったよ!」


お母さんの言葉に慌てて受話器を取ろうと時計を見たら、


もう11時を過ぎていた。



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