★ イケメン嫌いな私 ★
「右手が駄目なら左手があるでしょ!


華月は逃げてる。


ピアノが弾けないんじゃなくて、


怖いんでしょ?


昔みたいに上手く弾けないのが辛いんでしょ。


又最初から頑張ればいいんだよ。」




華月が私に詰め寄る。



「葉瑠に何が分かる俺にとってピアノが全てだった。

海外への留学も決まってたのに、


あの事故で全てが無くなった。


俺のあの時の悔しさ辛さがおまえに分かる?


分かりもしない癖に偉そうな事言うなよ。」




「華月、私には分かるんだ。華月の辛さ。」



え。



華月が私を見た。



「私左目はほとんど見えていないの。


最初は視力の低下とか思ってたけどね。


お母さんのお腹の中にいた時瞳が傷ついたらしい。


原因は分からないけど。


見た目全然分からないけど、私よく転ぶんだよね。


だからそこらじゅアザだらけ。


片目でも何でも出来るんだよ。」



華月は驚いたのか何も言わない。






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